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財務諸表と財務三表とは?わかりやすく解説!

『財務諸表』は会社にとって、経済的にとても大切な役割を担っていますが、どのようなものなのかを知っている方は実際少ないです。「会社のことが書いてある数字の表でしょう?」と思いますよね。確かにその通りですが、一定のルールに従って作成された会社のことを客観的に可視化した表なのです。

この財務諸表が無ければ会社でどのような取引がされているのかが分かりませんし、そうなれば、社会的に信用を得ることも出来ないのです。税金の計算・株主などへの開示・銀行への提示など、財務諸表が必要な時は多いと言えるでしょう。

さらには、財務諸表をもとに財務分析・計画予算の設定なども行えるなど、経営を管理していくためにも大切です。ですから、しっかり財務諸表を作成していく必要があるのです。

また、財務諸表には同じ表でも規定されている法律の違いなどにより範囲が変わり、様々な呼び方がなされています。会計を勉強していかれる方は、是非覚えておきたいところです。

今回は財務諸表と混同されやすいものや、財務諸表でも特に大切とされる財務三表とはなにかをわかりやすく解説していきます。

財務諸表とは

財務諸表とは、金融商品取引法において上場企業などに義務付けられている『有価証券報告書』に載せる必要のある書類です。『有価証券報告書』には、企業における様々な情報を掲載する必要があり、その中には「経理の状況」という会計の情報が含まれています。そこに財務諸表を掲載するので、上場企業などでは作成しなければいけない書類です。

財務諸表に含まれるのは以下の書類です

・貸借対照表(BS)
・損益計算書(PL)
・キャッシュフロー計算書(CF)
・株主資本等変動計算書
・付属明細票

これらの書類が財務諸表としてまとめられますが、会社の財務状況を示す重要な情報であり利害関係者に適切に開示される必要があるのです。ですから、金融商品取引法では上場企業などの特に財務状況の開示を必要としている企業に対して、開示が義務付けています。

財務諸表はよく混同されてしまう

財務諸表についてよく混同してしまうのが、呼び方が様々あるためです。『貸借対照表』や『損益計算書(PL)』などの財務諸表の中身に関しては同じだからと言えます。

では、なぜ様々な呼び方がされるのでしょうか。それはどの法律により要請されているのか、またその範囲による違いなのです。ただ、範囲が少し異なるだけなので実務においては呼び方の違いをそこまで細かく意識されることは少ないでしょう。

ですが、学ぶ際にはしっかり意識して進めていき、会計の基礎としてしっかり覚えておく必要があります。

決算書とは

決算書は決算報告書とも呼ばれ、税金の申告を行う際に開示する書類とされます。そうすることで税金の計算が正しく行われていることを示し、虚偽表示ではない証拠にもなるのです。

法人税法でしたら、以下のような書類の提出が必要です。

・貸借対照表(BS)
・損益計算書(PL)
・株主資本等変動計算書
・勘定科目内訳明細書
・法人事業概況説明書

これらの書類を決算書として、提出することになるのです。

また、個人で所得税を青色申告により確定申告する際には、『青色申告決算書』を提出しなければなりません。そちらにも貸借対照表や損益計算書(PL)が入っているので、とても重要な書類と言えるでしょう。

計算書類とは

計算書類は、会社法の要請により株式会社や合同会社が作成しなければならない書類です。株主総会などでの承認または報告が必要ですので、作成が強制されます。

会社法第435条第2項と法務省令会社計算規則第59条第1項で必要とされるのが、以下の書類です。

・貸借対照表(BS)
・損益計算書(PL)
・株主資本等計算書
・個別注記表

これらの書類が計算書類です。また、計算書類の付属明細書、事業報告書とその付属明細書が加わると『計算書類等』と呼ばれ、10年間の保存が義務づけられているので、一緒に押さえておきましょう。

計算書類は会計基準などに基づき、しっかりと日々の経理を行った結果として作成されるものですので、とても有用なものなのです。

会計の中でも最も重要なのが「財務三表」

財務諸表の中で重要視されるのが『財務三表』と呼ばれる、損益計算書(PL)・貸借対照表(BS)・キャッシュフロー計算書(CF)です。

これらは、財政状態・経営成績・キャッシュフローの状況を示し、会社の財務状況を開示するためにとても大切な書類と言えます。ですから、利害関係者による会社の状況を判断するのにとても重要視されるのです。

以下では、「財務三表」ついて1つずつ説明していきます。

財務三表:①損益計算書(PL)

先ずは、損益計算書です。

損益計算書の収益と費用の差額により、当期が利益(黒字)なのか損失(赤字)なのか、いわゆる経営成績が表示されます。営利目的を前提に、利益や損失は経営を行う上で重要な指標です。

また、その内訳により営利活動によって利益が出たのかはたまた補助金などによって利益が出たのかなども分かります。もし、固定資産による売却で一時に利益が出ている場合、経営が上手くいっているのとは関係なく当期純利益が大きくなってしまうかもしれません。そのような場合でも、損益計算書の内訳を見ればすぐに判断することが出来るため、経営判断を行う材料にもなるのです。

財務三表:②貸借対照表(BS)

次に、貸借対照表です。

貸借対照表には財政状態を表示するため、資産・負債・純資産が記載されます。

これらの項目が表示されることで、今会社にどのような財産と負債がいくらあるのかということが分かるのです。会社のお金や借金、利益の積み立てなどが表示されることで、会社がどのような状態にあるかを把握することが出来ると言えます。

これは会社の内部で経営に参画している人のみでなく、外部に存在する利害関係者(ステークホルダー)にとっても有用でしょう。なぜなら、取引を行った時に安全にお金が支払われるかなども分かるからです。

信用経済と言われている現代にとって、このような財政状態の開示は必要不可欠と言えます。相手に安心感を与えて、取引を円滑に行うためにも貸借対照表は重要な役割を果たしているのです。

財務三表:③キャッシュフロー計算書(CF)

最後に、キャッシュフロー計算書です。

キャッシュフロー計算書は、営業活動・投資活動・財務活動によりキャッシュフローを分類し、会社全体のキャッシュフローの状況を表示します。

会計を勉強している方は、収益と費用を注視しがちです。ですが、運用資金を確保するなど、最終的には現金などの流れというものもまた大切になってくると言えます。

発生主義や実現主義などによると、お金が動いてない時点で取引が計上されていますので、実際に現金等をどのように運用しているのかを把握するために、キャッシュフロー計算書は重要なのです。

まとめ

今回は、財務諸表と混同されやすいものや、財務諸表でも特に大切とされる財務三表とはなにかわかりやすく解説してきましたが、いかがだったでしょうか。

金融商品取引法では財務諸表、税法では決算書、会社法では計算書類などほとんど同じものでも、要請先や範囲などにより多少の異なる部分があるのです。金融商品取引法は投資家保護、税法は公平性、会社法は債権者保護などの視点から規定されます。このような視点の違いから多少なりとも異なる部分があると言えるのです。

また、『財務三表』と言われる貸借対照表(BS)・損益計算書(PL)・キャッシュフロー計算書(CF)は、財務諸表の中でも特に重要と言われます。財政状態・経営成績・キャッシュフローの状況を表示することは内部の経営管理者のみならず外部の利害関係者(ステークホルダー)にも有用なのです。

共通して言えることは、会計のルールに従って丁寧に作成する必要があるということです。確かに大変なことではありますが、それが結果として信用に繋がり、効率的な経営を行っていくことが出来るでしょう。

今回ご紹介した内容が、財務諸表などに対する理解の一助となれば幸いです。

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