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節税対策は会計士へ相談を。経営者は資産形成も意識しよう

節税対策は会社にも個人事業主にも必要です。ただし脱税はNG!節税と脱税の違いを見ていきましょう。具体的な節税の方法も、会社と個人事業主別に解説します。また経営者に必要な資産形成についても、手順や方法をチェックしましょう。

節税対策と脱税の違いをチェック

節税対策と脱税は違います。正しく節税対策を行うには、節税対策と脱税がどのように違うのか見ておかなければいけません。まずは違いを確認しましょう。

節税対策は法律の範囲で税額を抑えること

納める税額は税金を計算するもとになる課税標準に、所定の税率をかけて計算します。このとき法律の範囲内で税額を抑えるのが節税です。

例えば控除を利用し課税標準や税額から定められた金額を差し引いたり、非課税制度を活用したりすると、節税につながります。利用できる制度を見逃していると、税金を納め過ぎているかもしれません。どのような制度があるか確認し、自社や自分の状況に当てはまり利用できるものがないか確認しましょう。

脱税は法律違反

一方、脱税は法律で認められていない方法で税額を実際より低く抑えることです。例えば所得税を低くするため、所得を実際より安く申告すると脱税になります。

明確に法律で禁止されているわけではありませんが、法律の抜け穴を突く方法もあります。このような課税逃れの方法は租税回避とよばれ、認められないケースがほとんどです。

会社の節税対策3つ

会社経営をするうえで節税対策は重要なポイントといえます。うまく節税できれば、その分利益を残せるからです。会社が行うのにおすすめの節税対策として、繰越欠損金や未払費用・資格取得費等を使う方法を紹介します。

繰越欠損金を黒字と相殺

繰越欠損金とは過去の赤字のことです。確定申告を青色申告で行っていれば、赤字が出たとき翌年以降に繰り越せます。繰り越せるのは10年以内の赤字です。

欠損金は繰り越すと黒字と相殺できます。その結果、利益が減るため法人税等を減らせる仕組みです。

例えば前年に赤字が1,000万円出ており、これを繰り越したとします。今年の利益が3,000万円なら、課税標準はここから1,000万円を差し引き2,000万円です。

法人税の実効税率を30%として計算すると、繰越欠損金を利用したときとしていないときでは、以下の通り税額が異なります。

  • 繰越欠損金なし(利益3,000万円):900万円
  • 繰越欠損金あり(利益2,000万円):600万円

税額の差300万円は、そのまま利益の差につながります。

未払費用を計上する

未払費用とは、費用の発生は今期だけれど、支払いは来期の費用です。今期の利益が多く税額が高くなりすぎてしまう見込みなら、未払費用を今期に計上すると税額を抑えられます。

例えば「社会保険料」は毎月、先月分の保険料を支払っています。そのため未払費用としての計上が可能です。

「給与」も締め日や支払日によっては未払費用として計上できます。15日が締め日なら、16日から月末までの給与を未払費用として処理可能です。

「決算賞与」も今期の経費として未払費用へ計上できます。ただし未払費用とするには、支給額を決め賞与明細書を用意し、決算から1カ月以内に支給しなければいけません。従業員による確認書類の記載も必要です。

もともと支払う費用のため、未払費用として計上したからといって余計な費用がかかるわけではありません。

資格取得費用の経費計上

会社に必要な資格であれば、社員の「資格取得費用」を会社が負担することで経費にできます。ただし同じ資格でも経費にできるものとできないものがある点に注意しましょう。

例えば電気工事を請け負う会社であれば、電気工事士や電気主任技術者・電気工事施工管理技師などの資格取得に関する費用を経費計上できます。

同じように業務で使う資格でも、多くの会社で使える運転免許証のような資格の取得費用は対象外です。

社員が仕事に関わる資格を取得するのをサポートすることで、モチベーションアップに役立つ仕組みでもあります。

個人事業主ができる節税対策3つ

個人事業主にとっても節税は重要です。青色申告や小規模企業共済・家賃や光熱費の按分を利用し節税対策を実施することで、税額を抑え利益を増やせます。

青色申告で所得控除額アップ

これまで確定申告を白色申告で行っていたなら、「青色申告」にすることで所得税の特別控除を受けられます。特別控除の金額は、帳簿付けや申告の仕方などで以下の通りです。

  • 単式簿記(お金の出入りとその理由を記載する):10万円
  • 複式簿記(お金の出入りと資産の増減を記載する):55万円
  • 複式簿記+電子帳簿保存もしくはe-Taxによる申告:65万円

所得控除額が増え課税標準となる所得金額を減らせるため、所得税額を抑えられる仕組みです。

小規模企業共済の掛金で所得控除

小規模な事業を営む法人や個人が、廃業や退職に備え積み立てできる「小規模企業共済」を利用しても良いでしょう。小規模企業共済は掛金分の金額を全額所得控除できます。

例えば月7万円を積み立てた場合、84万円の所得控除を受けられる計算です。所得税の計算に用いる所得金額を減らせるため、税額を抑えられます。

家賃や光熱費を按分し経費にする

自宅に仕事場があるなら、家賃や電気代・インターネット代などのうち、仕事で利用した分は経費計上できます。

例えば自宅の1室で仕事をしているなら、自宅全体の広さに対する仕事部屋の広さの割合で家賃を按分しましょう。経費を増やせばその分所得が減り節税につながります。

経営者は資産形成も意識しよう

会社や事業を守るには節税対策が役立ちます。加えて経営が軌道に乗り始めたら資産形成も意識しましょう。十分な資産があれば、会社や事業がピンチのときにも乗り切れます。

資産形成の手順をチェック

資産形成を行うには、まず人生の計画を立てましょう。いつどのような出来事が予想され、そのためにどのくらいの資金が必要か把握するのが目的です。

加えてお金の出入りや資産額を把握できるキャッシュフロー表を作成します。さらに現時点の資産状況が分かるよう、お金の状況も要チェックです。

最後に貯金・保険・投資などどのような方法で資産形成を実行するか考えます。現時点の資産やライフプランを参考に、無理なく実行できる方法は何か検討しましょう。

資産管理会社を活用し資産形成を目指す

会社であれば「資産管理会社」を活用するのも一つの方法です。役員報酬や配当を引き上げ、経営者本人の資産を増やす方法では、所得が多くなるほど税額が増えてしまいます。

一方、資産管理会社が利益の一部を吸収する仕組みであれば、経営者の個人資産を増やすよりかかる税金を抑えやすいでしょう。

資産をまとめて資産管理会社が保有していれば、相続時の負担も抑えやすくなります。事業用資産を個人の資産として引き継ぐと、手続きに手間がかかるうえ相続税の負担も重くなりがちです。

資産管理会社を利用すれば、経営者の保有する株式の相続のみに集中できますし、ほかの資産を考慮する必要がない分相続税額を抑えられます。

まとめ

会社や個人事業の経営では節税対策を意識しましょう。税額を抑えられれば、その分利益を増やせます。あわせて資産形成にも意識して取り組むと、経営がピンチに陥っても対処しやすいでしょう。会社や個人事業の税金について見直し節税につなげるなら、創新會計へぜひご相談ください。

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