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法人保険のメリットは?4種類の法人保険や加入のポイントもチェック

法人保険とは法人の代表者や役員が契約者となり加入する保険です。法人向けに作られている保険の他、個人向けの保険に法人が契約者となり加入する場合も含まれます。法人保険にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?

法人保険のメリット

万が一の事態にも備えられる十分な内部留保があれば、法人保険は必要ないのでしょうか?法人保険のメリットを3種類紹介します。

税額を抑えられる可能性がある

法人保険の保険料は損金算入が可能です。損金が増えれば利益が減ります。法人税が課税されるのは、益金から損金を差し引いた金額です。そのため保険料によって損金が増えれば、その分法人税額を抑えられる可能性があります。

ただし法人保険を節税のためだけに契約するのはおすすめできません。定期的に保険料を支払わなければならず、会社の財務状況を悪化させる事態も起こり得るからです。

創業当初からリスクに十分備えられる

創業してすぐは社内に十分な資金がないことも多いでしょう。そこで役立つのが法人保険です。定期的に支払う保険料を用意できれば、万が一のときには保険金を受け取れます。

例えば経営者が死亡すると、受取人である会社に保険金が支払われる仕組みです。保険金は経営者がいなくなり生じた売上減少の補填や、事業存続のための資金に充てられます。

事業承継対策ができる

保険金の受取人を後継者に指定すれば、法人保険を事業承継対策にも利用可能です。経営者が死亡すると、個人の財産は相続の対象となります。

一方、保険金は受取人固有の財産のため相続の対象になりません。後継者以外の相続人から「遺留分侵害額請求」をされても、請求の対象にならない資金です。

そのため事業承継時の納税資金や、経営が軌道に乗るまでの資金、新たな事業へ挑戦するための資金として利用できます。

法人保険のデメリット

法人保険はメリットばかりではありません。場合によっては契約することでデメリットが発生することもあるでしょう。例えばキャッシュフローの悪化を招いたり、元本割れにより損失が発生したりする可能性があります。

継続的な支出によるキャッシュフローの悪化

保険料を支払うということは、定期的に現金が出ていくことを意味しています。毎年や毎月など契約したペースで保険料を支払い続けたとき、会社のキャッシュフローはどのように変化するでしょうか?

キャッシュフローが大幅に悪化するようであれば、法人保険の契約はデメリットといえるでしょう。事業計画や収支状況を把握し、資金の減少がどの程度になりそうなのかあらかじめ確認する必要があります。

資金の減少と比べメリットが上回っているなら、契約を検討すると良いでしょう。

解約のタイミングによっては損失が出る

法人保険の中には解約によって解約返戻金を受け取れる商品もあります。ただし解約のタイミングによって、支払った保険料に対する保険金の割合である解約返戻率は異なります。

解約返戻率が100%より低いタイミングで解約すると、支払った保険料の方が多くなってしまうでしょう。あらかじめ解約返戻率がピークになるタイミングを確認し、解約のタイミングを逃さないよう注意が必要です。

契約時に解約までの道筋を決めておくと良いでしょう。

法人保険の種類4種類

保険を契約するときには、必要な保障を用意しなければいけません。法人保険は大きく分けると「定期保険」「養老保険」「終身保険」「医療保険・がん保険」の4種類です。必要な保険を判断するため、4種類の特徴を確認しましょう。

保険料が掛け捨て「定期保険」

定期保険は保険料が掛け捨てという点が特徴です。種類は「逓増定期保険」と「長期平準定期保険」の2種類あります。

逓増定期保険
  • 保険金が徐々に増えていく
  • 解約返戻率のピークは5~10年
  • 保険料は高額
長期平準定期保険
  • 保険金は常に一定
  • 解約返戻率のピークは10~30年後
  • 99歳まで、100歳までというように長期間払い続けるため負担が大きい

法人保険の中でも定期保険は、2019年10月から保険料の損金算入の基準が変わりました。ピーク時の解約返戻率や保険料額などによって、損金算入できる金額が異なる仕組みです。節税も考慮し法人保険へ加入するなら、損金算入できる金額をよく確認しましょう。

死亡保険金か満期保険金を受け取る「養老保険」

生死混合保険とも呼ばれる養老保険は、保険期間中に死亡すると「死亡保険金」を、満期時に生存していると「満期保険金」を受け取れます。

また契約内容が以下の通りであり、入社から一定期間経過した社員全員が加入するなら、保険料の50%を損金として計上可能です。

  • 契約者:法人
  • 被保険者:経営者・役員・全従業員
  • 解約返戻金の受取人:法人
  • 死亡保険金の受取人:被保険者の遺族
  • 満期保険金の受取人:法人

従業員全員が加入対象となるため、保険料の負担額が膨らみやすいでしょう。

保障が一生涯「終身保険」

被保険者が死亡するまで、一生涯保障が続くのが終身保険です。死亡時に必ず保険金を受け取れるため、事業承継対策として用いられるケースもあります。その他に退職金の準備にも用いられる保険です。

ただし保険料を保険料積立金として計上する点に注意しましょう。損金算入はできないため、節税には向いていません。

病気やけがを保障「医療保険・がん保険」

医療保険は所定の病気やけがによる入院や手術に対し給付金が支払われ、がん保険は所定のがんと診断されたときに保険金が支払われる保険です。

経営者が加入していれば給付金を経営資金に充てられますし、従業員が加入していれば見舞金を支給できます。全従業員を対象に医療保険やがん保険へ加入すれば、福利厚生費として損金算入も可能です。

加入するときのポイント

法人保険を契約するときには、まず解約返戻金の使い道を決めておくと良いでしょう。また福利厚生規程や退職金規程を設けておくと、税務調査対策に役立ちます。

返戻金の使い道を決める

解約返戻金を受け取ったとき何に使うかは、保険契約前にあらかじめ決めておくのがポイントです。設備投資・退職金・事業資金など、具体的にしておきましょう。用途は限定されていません。

用途を決めずにそのまま受け取ると、解約返戻金は益金として計上され課税対象となります。使途を決めておくことで、受け取った解約返戻金を経費として使えるため、課税対象となり法人税が増えるのを避けられるでしょう。

福利厚生規程・退職金規程を設ける

保険料を確実に損金算入するには、「福利厚生規程」や「退職金規程」を設けます。規程に保険についての記載があれば損金算入の根拠を説明しやすく、税務調査の実施時に損金を否定されにくいでしょう。

規程が設けてあれば従業員へ制度を伝えやすいメリットもあります。従業員が福利厚生を理解し活用するのにも役立つでしょう。

まとめ

法人保険を活用すれば、税額を抑えられる可能性があります。また十分な資金がまだない創業時でもリスクに備えられるでしょう。加えて事業承継対策にも役立ちます。

ただしメリットは税制によって変化する点に注意しましょう。実際に2019年に行われた税制改正では、損金の扱いが厳格化しています。

税制改正による変化に対応し適切に法人保険を活用するために、創新會計へ相談してみませんか。

 

 

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