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監査役とは?監査の内容や役割を解説

所有と経営が制度的に分離している株式会社において、公開会社のように大規模な会社の株主が職務執行にあたるには能力もない場合が多く、期待出来ません。

監査役は株式会社等において、株主に代わり取締役における職務執行の監査を行い、取締役による法令に遵守した職務の執行がなされるように監視する役割を担っています。

監査役は業務監査権限だけなく会計監査権限もありますので、指名委員会等設置会社における会計監査人による監査を受ける際にも、会計監査人とのコミュニケーションを行い、監査の実効性を確保しているのです。

監査役は全ての会社で強制的に設置しなければいけない機関ではありませんが、設置が強制される場合もあるので注意して適切に設置していく必要があります。

監査役を設置していれば取締役の職務執行が監査されていることが想定出来ますので、金融機関等にコンプライアンス意識が高い会社という印象を与えられて、社会的信用性を高められるのです。

今回は、監査役による監査の内容や役割について解説していきます。

監査役とは

監査役とは取締役の職務の執行を行う株式会社等における機関です。取締役の任期は2年なのに対して、監査役の任期は4年(非公開会社は10年)で短縮は出来ません。

監査役の選任は株主総会普通決議により行われますが、選任議案の提出に監査役会の同意が必要であり、解散には特別決議により決定しなければなりませんので、独立性が確保されています。

監査役は独任制の機関である為、監査役会を設置しても各人が独立して行動出来ますので、実効性のある監査が可能です。

監査役には独立性が要求されておりますので、取締役や使用人からの職務執行の報告を受ける権利や業務財産状況調査権等、取締役の職務執行に対する監査を行う為の様々な権限が与えられています。

新会社法では監査役は必ず置かなくても良い?

以前より設置が強制されていた監査役ですが、平成18年5月1日施行の会社法によって監査役の設置は原則として任意とされているのです。

監査役の設置が強制されている場合以外において、監査役は置かなくても問題はありません。

監査役を置かなくても良い条件とは

監査役を置かなくても良い条件とは、監査役の設置が義務として強制されていない場合であり、監査役の設置が強制されている場合との比較により適切に把握していくのが重要です。

以下では、監査役を置かなくても良い条件について解説していきます。

株式譲渡制限会社であること

株式譲渡制限会社とは、全ての株式に譲渡制限の規定がある会社で、一部でも譲渡制限の規定がない場合には公開会社です。譲渡制限とは株式を譲渡する際に取締役会決議又は株主総会の決議を必要とする株式を言います。

株式譲渡制限会社の場合には、監査役を置く必要はありませんが、公開会社の場合には取締役会の設置が義務とされており、取締役会設置会社は監査役による取締役の職務執行監査が強制されているのです。

株式譲渡制限会社の場合には、取締役会の設置義務がありませんから、監査役の設置も強制はされていません。

取締役会を設置していないこと

株式会社では取締役と株主総会の設置を基礎として、公開会社・監査役会設置会社・指名委員会等設置会社・監査等委員会設置会社では取締役の設置が強制されています。

取締役会設置会社では、取締役の職務執行について監査する必要がありますので監査役の設置が義務です。

強制されていない場合であっても、任意で取締役を設置している場合には、原則として監査役の設置をしなければなりませんので、注意が必要と言えます。

取締役会を設置して、会計参与を置く場合

任意で取締役会を設置している非公開非大会社の場合には、会計参与や会計限定監査役の設置により監査役を置かなくても問題ありませんが、それ以外の取締役会設置会社の場合には、監査役を設置しなければいけません。

委員会設置会社の場合

委員会設置会社の場合には、内部統制システムの構築義務があり、監査委員会との協力による組織的な監査を可能とする為に、会計監査人の設置が強制されます。

会計監査人の設置が強制される場合には、会計監査人とのコミュニケーションをとり、実効的な監査を行う為に監査役の設置が義務ですが、指名委員会等設置会社・監査等委員会設置会社では、それぞれ監査委員会・監査等委員会があり、権限が重複する観点から監査役は置けません。

IPO準備はどうしたらいいか

IPO準備を行うにあたり、監査役の存在は大きいです。常勤監査役を設置し、取締役会に出席して必要があれば意見を述べなければならず、コーポレートガバナンス等の観点から監査役による行動は、IPOを効率的に行うのに重要と言えます。

常勤監査役の設置

IPOを行うにあたり監査役会を設置する場合には、監査役の中から常勤監査役を選定しなければなりません。

常勤監査役は、取締役会や株主総会への出席、監査方針・計画の策定・『監査報告書』の作成等を行い、IPO準備にあたり会社のコーポレートガバナンスを強化していく必要があるのです。

上場企業と同等の会社運営が必要に

公開大会社には監査役会の設置が強制されており、上場企業等の大規模な会社には会社運営がとても重要と言えます。

IPO準備段階であったとしても、取締役会・監査役会等の機関の設置を行う等、事前に計画的な行動をして進めていく必要があるのです。

まとめ

今回は、監査役による監査の内容や役割について解説してきましたがいかがだったでしょうか。

所有と経営が制度的に分離している株式会社において、監査役は株主に代わり、取締役の職務執行を監査する為に必要な機関です。監査役は独任制の機関であり、各人が単独で業務を行っていけますので、実効的な監査を行えます。

監査役の選任には株主総会普通決議を必要としており、選任議案の提出には監査役会の同意がなければいけません。解任する場合、株主総会特別決議が必要である等、多角的な視点から独立性が確保されているのです。

監査の種類としては、業務監査と会計監査があります。業務監査は、取締役や使用人からの職務執行の報告を受ける権利、取締役の職務執行の監査等、法律や定款に違反していないか、適法性監査を行います。会計監査は、会計監査人や内部監査人との適切なコミュニケーションにより、監査の実効性を確保していく為に行われるのです。

監査役の設置が強制されている場合はありますが、平成18年5月1日施行の会社法により、監査役の設置は任意とされています。監査役の設置が任意とされている場合と、監査役の設置が強制されている場合との比較により、把握しておくのが大切です。

取締役会を設置する場合には、取締役の職務執行を監査する為に監査役の設置が強制されています。公開会社は取締役会を設置する必要がありますので、監査役の設置が強制されているのです。非公開非大会社の場合には、会計参与又は会計限定監査役を設置すれば監査役を置く必要はないので、注意が必要と言えます。

委員会設置会社には内部統制システムの構築義務があるので、会計監査人による監査が強制されており、監査委員会や監査等委員会が設置されていますので、権限が重複する観点から監査役は設置できません。

IPO準備を行う際にも常勤監査役による取締役会や監査役会への出席等を通じて、コーポレートガバナンスを強化していくのが重要です。IPO準備段階から取締役会や監査役会等の機関を設置して、計画的に進めていく必要があります。

このように、監査役の業務監査や会計監査は取締役の職務執行監査にとても大切な役割があり、IPO準備段階から監査役会を設置する等、監査役の監査による計画的な行動をしていくのが、効率的な経営を行う際には重要になります。

今回は、監査役による監査の内容や役割に関する理解の一助となれば幸いです。

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