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会社を経営する前に調べておきたい「会計の知識」とは

これから会社設立、経営をスタートさせる前に、基礎的な会計の知識を学んでおくことで、会社運営を有利に進めることができます。経営を始めた後では事業により多忙となってしまい、会計について調べる、学ぶ時間とれなくなってしまうこともありますので、ある程度の会計の知識は事前に学んでおく必要があると言えるでしょう。

間違いやすい会計の知識として、取引から「会計帳簿」を作成する『経理』と、資金をどのように取り扱っていくのかについて計画を立てていく『財務』がありますので、違いを正確に把握していくことが大切です。

経理で「会計帳簿」に取引を記録して「決算書(財務諸表)」により報告する場合、適正な会計処理を行う為にも、会計知識を獲得していく必要があると言えます。

作成する「決算書(財務諸表)」は5種類あり、それぞれが財政状態経営成績キャッシュフローの状況を正確に表していますので、どのような財務情報が提供されるのかを理解して、正確な「決算書(財務諸表)」を作成していかなければいけません。

決算書(財務諸表)の作成には、会計に関する専門知識を要しますので、適時適切に簿記を学んでいく必要があります。簿記を勉強する際には資格取得を目指すことが一般的であり、勉強をする際に資格を取得するべきなのかについて考えていくことが大切です。

今回は、会社を経営する前に覚えておきたい会計知識について解説していきます。

経理と財務の違いを理解する

会社における会計とは、「決算書(財務諸表)」の作成や資金の計画です。経理とは、取引を受けて「会計帳簿」に計上し、「決算書(財務諸表)」を作成して、外部利害関係者に報告することです。これに対して財務は、会社における予算の編成、資金調達資金運用等を行います。

経理は取引を的確に記録して外部利害関係者に報告を行い、財務はどのように事業を運営していくのかについて計画していくのです。どちらも会社経営において大切な役割を担っており、経理において把握した情報を財務に応用させていくことで、実践的な計画策定が可能です。

財務は経理の情報を分析して競合他社との比較を行い、経営計画に練り込むことで会社内で共有することができます。達成不可能な計画により従業員のモチベーションが下がってしまうこともあるので、注意が必要です。

決算書(財務諸表)について

「決算書(財務諸表)」は、会社における財政状態・経営成績・キャッシュフローの状況について、外部利害関係者に対して報告するための書類です。金融商品取引法においては「財務諸表」と言い、上場会社等に対して『有価証券報告書』の中にある「経理の状況」において報告することを求めています。

財務諸表とは具体的に以下の書類です。

・『貸借対照表』
・『損益計算書』
・『キャッシュフロー計算書』
・『株主資本等変動計算書』
・『附属明細書』

株式会社では所有と経営が分離しているので、所有者である出資者に対して、日々の取引による結果を「決算書(財務諸表)」として報告します。

株式会社の株主や合同会社の社員は間接有限責任ですので、出資額以上の支払い義務を負いません。財務情報に関する真実の報告により、出資者は経営者が適切な経営を行っていることを把握できるのです。

債権者に対して「決算書(財務諸表)」を開示して財務情報を報告すれば、債権の回収可能性について判断することが可能になります。

貸借対照表とは

貸借対照表』とは、1事業年度末における会社の財政状態を開示する書類です。

『貸借対照表』では以下の項目を開示します。

・資産(流動資産、固定資産、繰延資産)
・負債(流動負債、固定負債)
・純資産(株主資本、評価換算差額等、新株予約権)

『貸借対照表』は、原則として流動性の高い項目から順番に配列することとされており、会社財産が期末時点でいくらあるのかを明確に開示して報告が可能です。

損益計算書とは

損益計算書』とは、1事業年度における会社の経営成績を開示する書類です。

『損益計算書』では以下の項目を開示します。

・収益や利得(売上高、営業外収益、特別利益)
・費用や損失(売上原価、販売費及び一般管理費、営業外費用、特別損失、法人税住民税及び事業税)
・利益(売上総利益、営業利益、経常利益、税引前当期純利益、当期純利益)

『損益計算書』は外部利害関係者に対して、利益又は損失がいくら出ているのかについて、売上に可減算する形式で表示する形式が多いです。他にも勘定式による『損益計算書』も存在しています。

キャッシュフロー計算書とは

キャッシュフロー計算書』とは、1事業年度におけるキャッシュフローについて開示する書類です。

『キャッシュフロー計算書』では以下の項目を開示します。

・営業活動によるキャッシュフロー
・投資活動によるキャッシュフロー
・財務活動によるキャッシュフロー

『キャッシュフロー計算書』の開示により、会社のキャッシュフローの状況について理解可能です。会社の現金及び現金同等物の管理状況を把握することができます。

株主資本等変動計算書とは

株主資本等変動計算書』とは、1事業年度における株主資本等の変動について開示する書類です。

『株主資本等変動計算書』では以下の項目が開示されます。

・株主資本
・評価換算差額等(その他有価証券評価差額金等)
・新株予約権

『株主資本等変動計算書』は株主資本の項目を総額で、株主資本以外の項目は純額で表示します。『株主資本等変動計算書』により剰余金の配当等、株主資本の変動内容の詳細を把握することが可能です。

会社経営に簿記の資格は必要か

会社経営において簿記は必須の知識であり、簿記を学ぶ際には資格取得を目指す方が多いと言えます。簿記の資格では、実務における会計処理の原理原則を学べるので、簿記の効率的な学習が可能です。

会計の専門家との会話もスムーズにすることが出来るので、簿記の資格の勉強を通じて、知識を獲得しておくと便利です。

まとめ

今回は、会社を経営する前に覚えておきたい会計知識について解説してきましたがいかがだったでしょうか。

会社を経営する際には、取引から「会計帳簿」への計上、「決算書(財務諸表)」の作成を行う『経理』や、資金をどのように取り扱っていくかについて計画を立てていく『財務』についての会計知識を獲得していく必要があります。

「決算書(財務諸表)」は外部利害関係者に対して、財政状態・経営成績・キャッシュフローの状況の適切な開示を行う為に重要です。金融商品取引法では上場会社等に対して「財務諸表」の開示が求められており、『貸借対照表』・『損益計算書』・『キャッシュフロー計算書』・『株主資本等変動計算書』・『附属明細書』の5種類に分かれています。

「決算書(財務諸表)」の中でも『貸借対照表』・『損益計算書』・『キャッシュフロー計算書』は「財務三表」と呼ばれ、財政状態・経営成績・キャッシュフローの状況を開示する、会社においてとても重要な財務情報に関する書類と言えます。

会社の経営を行うにあたり、会計の専門家と接する機会が増えることが想定できますので、簿記の資格について学んでおけば専門性の高い内容でも意思の疎通が図れて、アドバイスを活かした実践的な経営計画を組んでいく事が可能です。

このように、会社経営においては『経理』と『財務』の違いを的確に押さえて「会計帳簿」や「決算書(財務諸表)」の作成を行うことで、会社の経営に活かしていけるようになるでしょう。

今回ご紹介した内容が、会社を経営する前に覚えておきたい会計知識に関する理解の一助となれば幸いです。

 

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