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税理士の監査業務とは

税理士と公認会計士に接する機会はあまり無く、業務の違いについて知らない方も多いです。両者は会計の専門家として共通していますが、税理士は税金のスペシャリストであり、公認会計士は監査のスペシャリストと言えます。

資格を保有している者でなければ行えない業務である独占業務も異なり、税理士の独占業務は税務の代理・税務書類の作成・税務相談で、公認会計士の独占業務はそれぞれの法令に基づき行われる法定監査です。

税理士監査は任意監査であり、直接的に規制を受けて強制的に行われることはなく、適正な会計処理や税務処理がなされているかチェックするための巡回監査と言えます。公認会計士監査は法定監査であり、法律による規制によって行われることから対象になっている会社は強制的に監査を受けなければいけません。

税理士と公認会計士は会計に詳しい専門家として同様の業務を行っているように感じる方も居ますが、実際にはそれぞれ異なる業務を行っていることが多く、それぞれの業務の違いを知ることで適切な監査業務の依頼を行うことが出来るのです。

今回は、税理士の監査業務について解説していきます。

税理士の監査とは

税理士の監査は、会社に所属して監査役として内部監査をすることもありますが、巡回監査として行われることが多いです。巡回監査は税理士事務所や税理士法人において、税理士が顧客の会計業務や税務業務について正確に行われているか確認していく業務です。

具体的には以下の業務が行われます。

・月次入力チェック
・会計処理の訂正、解説
・経営分析
・経営計画作成の助言

所得税や法人税等の税金を納める際には自身で計算をする必要があり、日々の取引から会計処理を行わなければなりません。専門的で煩雑な知識を要するので、調べながら行ったとしても誤ってしまうことも多いです。

税理士の監査では、顧客が日々の取引を適正に会計処理しているか確認を行い、誤っている会計処理は訂正してどのように間違えているのかを解説していきます。間違っている会計処理について解説を行うことで、誤っている箇所を認知して貰い、少しずつ顧客自身で適正な会計処理をしていけるように指導するのです。

巡回監査により業務内容について知ることが出来ますので、経営分析をして得た改善点から改善策を経営計画に練りこんでいくことで、経営を効率的にしていくことが可能と言えます。

公認会計士の監査とは

公認会計士の監査は法定監査であり、監査の種類は会社法監査と金融商品取引法監査です。会社法監査では、指名委員会等設置会社・監査等委員会設置会社・大会社(資本金5億円以上または負債200億円以上)の場合には、提出する「計算書類」について公認会計士の監査を受けることを義務付けています。

金融商品取引法監査では、金融商品取引市場における上場会社等に対して「有価証券報告書」の提出を求めており、「経理の状況」における「財務諸表」は、公認会計士の監査を受けなければいけません。上場会社等は「内部統制報告書」の提出も行わなければならず、公認会計士監査が必要です。

公認会計士監査は会社法や金融所品取引法により、大会社や上場会社に対して監査を受けなければならず、強制的に行われることに注意しなければなりません。

税理士と公認会計士の違い

税理士と公認会計士では、会計の専門家として共通していますが、税理士は税金のスペシャリストであり、公認会計士は監査のスペシャリストと言う点が異なります。税理士と公認会計士は会計以外の専門分野が違いますので、作業範囲や資格を有していないと出来ない業務である、独占業務が異なるのです。

税理士の独占業務はスムーズな税金の納付をサポートすることであり、税金の申告が必要なのは、個人・法人を問いませんので様々な顧客層を有しています。公認会計士の独占業務である法定監査は、上場会社や大会社等の大規模な会社が対象ですので、顧客層としては比較的限られているのです。

税理士と公認会計士は作業範囲が異なる

税理士と公認会計士では独占業務が異なり、税理士は「税務の代理」・「税務書類の作成」・「税務相談」を独占業務としているのに対して公認会計士の独占業務は、法定されている監査と言えます。

税理士は税理士事務所や税理士法人において独占業務である税務業務を提供し、付随して発生する会計業務等もしています。顧客の会計や税金に関する疑問に応えることを業務としており、個人や中小企業等の強い味方です。

公認会計士は監査法人において顧客における「財務諸表」の適正性について意見を表明します。適正とは不正や誤謬が無いという絶対的な保証を与えるものではなく、様々な制約を受けている上で合理的な保証を与えるに留まるのです。当該意見は財務諸表全体に重要と考えられる虚偽の表示が無いということについて合理的な保証を得たという監査人の判断を含んでいます。

税理士と公認会計士で同様の業務を行うこともある

公認会計士は、監査法人において法定監査を業務として行いますが、公認会計士は税理士に登録することで、税理士と同様の業務をすることも出来るのです。税理士登録により税理士の独占業務(税務の代理・税務書類の作成・税務相談)を行うことが可能であり、税理士と公認会計士は独占業務がそれぞれ異なりますが、独占業務以外の業務に関しては両者がどちらも行うことが出来ます。

独占業務以外の業務は以下の業務です。

・コンサルティング
・企業再生
・組織再編
・株式公開

独占業務以外にも税理士と公認会計士は専門的知識を活用して多角的な業務を行っています。税理士事務所に顧問を依頼している場合には、会社の状況に応じて相談することが出来ますので、安心して本業に臨んでいくことが可能です。会計業務や税務業務は時間を要するので、経営を効率的に行っていくためには、専門家へ依頼を行うことが必要と言えます。

まとめ

今回は、税理士の監査業務について解説してきましたがいかがだったでしょうか。

税理士の監査は、会社の監査役に就任して内部監査として行われることもありますが、税理士事務所や税理士法人に所属して巡回監査をすることが多いです。巡回監査は、適正な税金の計算・申告・納付をするにあたり、必要のある日々の会計処理について誤りがないか税理士が確認を行う監査と言えます。

公認会計士の監査は、会社法や金融商品取引法の要請に基づき『計算書類』・『財務諸表』・『内部統制報告書』の監査を行うのです。税理士の行う巡回監査と違い、大会社や上場会社等は法律で行わなければいけないとされています。公認会計士監査は不正や誤謬が無いという絶対的な保証を与える監査ではなく、財務諸表の適正性について合理的な保証を得たとの判断を含んでいる合理的な保証であることに注意が必要です。

税理士と公認会計士は会計の専門家として共通していますが、税理士は税金のスペシャリストであり、公認会計士は監査のスペシャリストとして独占業務がそれぞれ異なります。税理士と公認会計士は、会計の専門家として独占業務以外で共通の業務を行うことも有り、コンサルティングや企業再生等の業務を提供しており、公認会計士は税理士として登録することも出来ますので、税理士として登録を行っている場合には、税理の独占業務を行うことが可能です。

このように、税理士と公認会計士は独占業務による違いがあり、監査の依頼を行う場合には業務内容について把握しておき適時適切な依頼を行うことが重要と言えます。

今回ご紹介した内容が、税理士の監査業務についての理解の一助となれば幸いです。

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