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会社法と税務について

会社法は会社において基礎的なルールが定められていますが、会社に雇用されている方はあまり法律に触れる機会がないので、どのようなことが規定されているのか知る方は少ないと言えます。

会社法では債権者を保護するために、会社における取引等について規定している法律です。会社の設立から清算に至るまでの手続きに関して規定されていますので、会社の経営を行うにあたり従わなければいけない法律と言えます。会社法を構成しているのは8つの大枠です。経営において大切な項目を8つに分けて規定しており、正確に内容を把握していくことが大切と言えます。

会社法は債権者保護の観点から『計算書類』を作成しますが、金融商品取引法や税法においても、別の視点から一定の書類を作成して提出する必要があるので、正確な会計処理が求められているのです。

会社法会計・金融商品取引法会計・税務会計における区別と関係について正確に把握していき、一定の必要な書類を作成して提出しなければいけないので、 それぞれに関する知識の獲得に努めていく必要があるのです。

今回は、会社法と税務について解説していきます。

会社法とは

会社法とは、会社における設立・組織・運営・管理に関して規定している法律です。会社法において取引の帰属主体となり得る権利能力を有するのは、我々人である自然人と法人の2種類だけと言えます。

法人を対象に規定しているのが会社法であり、法人における設立から清算に至るまで、会社の経営に関して問題となり得る事項について体系的に規定されているのです。

株式会社においては、所有者は株主ですが経営は取締役が行うので、「所有と経営の制度的分離」と考えられており、会社における基礎的ルールと言えます。

経営者は会社の経営を行うにあたり、社会的役割を適切に認知し、「所有と経営の制度的分離」等の会社法の基礎的ルールの内容を適切に把握することで法令に遵守する必要があるのです。

会社法を構成する8つの大枠

会社法は会社における設立・組織・運営・管理についての8つの大枠で構成されており、大枠の詳細が細分化して規定されている形式で成り立っています。

会社法における8つの大枠は以下の通りです。

・第1編総則(第1条~第24条)
・第2編株式会社(第25条~第574条)
・第3編持分会社(第575条~第675条)
・第4編社債(第676条~第742条)
・第5編組織変更、合併、会社分割、株式交換、株式移転及び株式交付(第743条~第816条)
・第6編外国会社(817条~823条)
・第7編雑則(第824条~第959条)
・第8編罰則(第960条~第979条)

会社法は第2編の第25条~第574条までの株式会社における規定を基本として、他にも会社の取引等において規定が必要と考えられるルールについて定めています。

会社法の規定を遵守していない場合には、第8編において罰則規定も設けられているので規定を遵守していかなければなりません。

会社法会計、金融商品取引法会計、税務会計の区別について

企業会計における財務会計は制度会計と呼ばれており、3種類の法律による要請により会計処理を行いますので、それぞれの要請による区別が重要です。

会社法はすべての会社が守る必要があり、債権者保護を目的として『計算書類』の提出を求めています。会社の出資者である株主等は株式会社や合同会社において間接有限責任であり、出資額以上の支払い義務を負いません。株主は配当等により会社の財産を受け取ることが出来ますので、無制限に配当が認められると債権者は出資額を回収不可能の事態に陥ってしまうので、会社法による規定が必要なのです。

金融商品取引法は金融所品取引市場に上場している会社等が対象であり、投資家保護を目的として『有価商品報告書』における「経理の状況」において、『財務諸表』の開示を求めており、金融商品取引市場の透明化によってスムーズな取引が行われるように規定されています。

金融商品取引法において『財務諸表』が開示されることで、投資家は会社の財務状況を把握することが出来るようになり、自己責任の原則によって適切な投資を行なえることになるので、会社からすれば資金をスムーズに調達できることに繋がるのです。

税務会計は租税の公平性を目的として、正しく税金を計算・申告・納付して貰う為に『決算書』の作成を求めています。『決算書』が作成されていれば、取引の実在性や網羅性を検証することが出来ますので、正しく計算・納付されているかを事後的に追跡可能です。

会社法会計、金融商品取引法会計、税務会計の関係について

会社法会計、金融商品取引法会計、税務会計は、それぞれ目的が異なるので、規定の形式も違い、適切に把握していくことが重要と言えます。

企業会計全体で適正な会計処理を行い、利害関係者に安心な取引をして貰えるように、正確な財務状況の開示をする為、会社法会計と金融商品取引法では原則として同様の会計処理がなされることになっているのです。

税務会計では、租税の公平性という別の目的を有していますので、会計上の費用・収益と税法上の損金・益金は異なります。そこで法人税法において『税引前当期純利益』に認識基準が異なる費用・収益に関して、益金算入・損金不算入項目を加算し、益金不算入・損金算入項目を控除することで、課税標準を計算することになっているのです。

まとめ

今回は、会社法と税務について解説してきましたがいかがだったでしょうか。

会社法は、会社における設立・組織・運営・管理に関して規定している法律であり、大枠として8編に分類されています。株式会社の規定を基本として会社の取引等におけるルールが会社法に定められており、遵守していない場合には罰則規定も設けられています。

会社法会計、金融所品取引法会計、税務会計ではそれぞれ目的が異なり、要請による区別が重要です。

会社法会計では、間接有限責任である株式会社や合同会社における株主等による過大な配当によって、会社財産が流出してしまう危険を避ける為、会社債権者を保護することを目的として『計算書類』の提出を求めています。

会社法においては、会社における基礎的なルールが定められており、遵守していかなければいけませんので、会社の経営を行う場合等は、知識として獲得しておくことが大切と言えるのです。

金融商品取引法会計では上場会社等に、『有価証券報告書』の「経理の状況」において『財務諸表』の提出を求めており、金融商品取引市場の適正な運営から投資家による出資と会社における資金調達が円滑に行われるように規定されています。

会社法会計と金融商品取引法会計では、外部利害関係者に対して適切な財務状況を開示するという目的で共通しており、原則として同じ会計処理がなされることになっているのです。

税務会計においては目的が租税の公平性にあり、税金が適切に計算・申告・納付されるように『決算書』を作成することを求めています。

税務会計は会社法会計や金融商品取引法会計と目的が異なりますので、会計における費用・収益と税法における損金・益金の認識基準が異なり、『税引前当期純利益』に対して益金算入・損金不算入を加算、損金算入・益金不算入を減算することで課税標準を計算するのです。

会社法会計・金融商品取引法会計・税務会計はそれぞれの目的に対して規定がなされていますが、外部利害関係者に対して財務状況を開示することにおいては共通しています。

今回ご紹介した内容が、会社法と税務に関する理解の一助となれば幸いです。

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