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企業会計で必須な財務諸表とは

一般的には馴染みのない方も多い財務諸表ですが、実際には金融商品取引市場において大きな役割を担っており、社会人の一般常識として財務情報とはどのようなものなのか認識しておくことが大切と言えます。

財務諸表は、1事業年度における取引の最終的な結果を表しており、財政状態・経営成績・キャッシュフローの状況等を利害関係者へ報告する為に作成されるのです。

財務諸表論は、財務諸表にどのように取引内容を計上すれば、利害関係者への正確な財務報告となるのかを考えて、『会計基準』等に規定されている会計処理を学んでいく学問と言えます。

財務諸表の開示が必要な目的を踏まえて、財務諸表とはどのようなものなのかを正確に理解して経営分析や経営計画に活用していくことも出来ますので、財務諸表は会社において必要不可欠であると言えるのです。

今回は、企業会計で必須な財務諸表とはどのような役割があるのかについて解説していきます。

財務諸表とは

日本における企業会計はトライアングル体制と呼ばれ、税法・会社法・証券取引法の要請に基づいて会計処理が行われてきました。証券取引法の改正で金融商品取引法に名を変えた現在でも必要な書類の提出が求められており、利害を調整する機能や財務情報を提供する機能を有しています。

中でも金融商品取引法の要請で、開示が求められているのが財務諸表です。金融商品取引法は、株式や債券等の取引を規制することで投資家を保護することを目的としており、財務情報の開示する必要性の高い大会社に対して、『有価証券報告書』における「経理の状況」で、財務諸表を開示しなければいけないこととしているのです。

財務諸表には以下の種類があります。

・貸借対照表
・損益計算書
・株主資本等変動計算書
・キャッシュフロー計算書
・付属明細書

財務諸表は5種類の書類により構成されており、会社法と比較すると『キャッシュフロー計算書』・『付属明細書』の提出が義務付けられ、『個別注記表』は必要ないところが異なるのです。

財務諸表は利害関係者へ適切な財務報告を行うことで、会計の目的を適切に果たす役割を担っています。

財務諸表論はなぜ必要なのか

財務諸表論とは、財務諸表で利用する会計方針・表示方法等どのように利害関係者へ財務報告することが適切な財務報告となるのかを試行錯誤する学問であり、企業会計においては必須科目です。

利害関係者への報告は闇雲に行うだけでは適切な説明責任を果たすことにならず、効率的な資金調達を行うことが出来ません。財務情報の開示により説明責任を果たすことが出来て信用性が増すので、効率的な資金調達を行うことが可能になるのです。

財務諸表論により利害関係者への適切な報告をするにはどのような会計処理を行い、どのような表示をすることが利害関係者への報告として最適な表示なのかについて考えていくことが大切と言えます。

歴史的に行われてきた会計処理や表示方法の考え方を利用して、新たに行われる取引に対応する会計処理や表示方法を財務諸表論により模索することが可能となり、科学的な会計を行っていくことが出来るのです。

財務諸表を開示する目的とは

財務諸表を開示するのには様々な目的があります。利害関係者との関係性からなぜ開示する必要があるのかを考えていくことが大切です。

以下では、それぞれ財務諸表を開示する目的について解説していきます。

株主

株主は株式を通じて会社に投資しているので、所有と経営は制度的に分離されていますが、株主総会に出席して経営報告を受けることは出来ます。

株主においては株価の高低や配当の多寡等の利害関係があり、経営者は所有者である株主の意向に沿わない経営を行う危険があるのです。財務諸表により報告を行うことで、経営者と株主の利害を調整することが可能と言えます。

債権者

債権者は、自身の債権を回収することができるかの利害関係を有しているのです。株主への配当が多額に行われることで会社の資産は減少し、債権回収が困難になってしまう危険があります。

財務諸表により株主への配当がいくらなされているか理解することが可能となり、利害が調整されるのです。

投資家

投資家は、将来的に投資を行ってくれる可能性のある方々であり、企業側からすれば資金調達を行うことが出来る機会と言えます。

投資家からすれば企業は商品であり、適切な財務情報を開示していなければ商品の説明が無いことになるので、投資して貰うことは出来ません。

財務諸表により適切な財務情報を提供することで、企業の内容を把握することが可能となり、投資家は安心して投資を行うことが出来ますので、企業は資金調達できる機会が増加します。

金融機関

金融機関は、企業に対して融資を行いますが、企業の経営状況が分からない場合には返済されるかが不明な為、融資することが出来ないのです。財務諸表を見ることで企業の経営状況を把握することが出来て、安心して融資を行うことが可能となります。

税務署

税務署は租税の公平性を目的に、税金が適正に計算・納付されているかを把握しなければなりません。適切な計算がなされているかを把握するために、財務諸表と会計帳簿により日々の取引が正しく記載され、表示されているかを確認することで、適正な税金の計算・納付がなされているのかを確認することが出来るのです。

財務諸表に適切な会計処理が反映されておらず、虚偽の申告がなされている場合には、適切な会計処理に直すことで税金額の修正を行い、追徴課税等の納付を命じることが可能になります。

自身

財務諸表は利害関係者に対して経営報告を行うためだけに作成していると考えられがちですが、それのみではありません。

財務諸表を作成するためには『企業会計基準』等の一定のルールに従って作成する必要があるので、会計的に適切な会計処理が行われます。会計的に適切な会計処理がなされていれば、財務諸表に表示されている経営成績・財政状態・キャッシュフローの状況を利用して経営分析や経営計画をすることが可能になるのです。

まとめ

今回は、企業会計で必須な財務諸表とはどのような役割があるのかについて解説してきましたがいかがだったでしょうか。

財務諸表は、金融商品取引法により大会社の提出する『有価証券報告書』の「経理の状況」で投資家を保護する為に開示が義務付けられており、『貸借対照表』・『損益計算書』・『キャッシュフロー計算書』・『株主資本等変動計算書』・『付属明細書』の5種類の書類を言います。

財務諸表論では、利害関係者への適切な開示を行う為に必要な会計方針や表示の方法について試行錯誤します。適切な財務状況を開示することで説明責任を果たして、効率的な資金調達を可能にするために必要な学問です。

財務諸表を開示する目的は様々あり、株主・債権者・金融機関・投資家・金融機関・税務署等に対して財務情報を開示することで、利害の調整や情報を提供することが可能となり、それぞれの問題を解消することが出来ます。

利害関係者への開示をするのが目的ですが、実際には『会計基準』等のルールに基づき作成された財務諸表は、経営分析や経営計画に活用することが出来ますので、とても有用な情報と言えるのです。

このように、財務諸表の開示を通じて投資家保護を行い、金融商品取引市場の円滑化を図っていくことが可能です。金融商品取引市場の透明化を行うことで、適切な資源配分がなされるようになります。

今回ご紹介した内容が、企業会計で必須な財務諸表に関する理解の一助となれば幸いです。

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