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連結決算とは?なぜ連結決算をあえてするのか?

近年企業規模拡大に伴い、企業の編成が行われるようになってきた為、連結決算の重要性が増してきました。

「決算」という言葉は多くの方が耳にしたことがあるかと思います。しかし「連結」という言葉は聞きなれない言葉かもしれません。

連結決算においては、企業グループ全体の状況を開示するため、子会社や関連会社を含めた企業グループ全体での決算を行います。大会社かつ有価証券報告書提出会社は『連結財務諸表』を作成することが強制(義務)されているのです。

親会社と子会社の『個別財務諸表』を1つにして修正を加え、関連会社の影響を反映させたものが『連結財務諸表』であり、専門的知識を要するために、それ自体がなにかをしっかりと理解しておくことが大切と言えるでしょう。

今回は連結決算とはなにか、なぜ連結決算を行うのかについて具体的にご紹介していきます。

連結決算とは?

連結決算とは、『連結財務諸表』を作成するために、子会社や関連会社を含めた企業グループ全体の財務情報で決算を行うことです。

企業グループ全体で決算を行うため、個別では必要のない特別な会計処理を要します。『有価証券報告書』を作成する大会社のような、特に投資情報が大切とされる企業に関しては『連結財務諸表』の作成が強制され、連結決算を行うこととなるのです。

また、会計監査人とされている公認会計士がいる企業では、任意で『連結財務諸表』を作成できます。

連結決算は企業グループ全体の財務情報を適切に開示するためにとても大切な役割を担っているのです。

連結決算をする意味とは? 

連結決算をすることで、企業グループ全体の財務情報を開示できるとはどういうことなのでしょうか。

これは、適切な投資情報を株主に提供することが出来るからです。株主はその投資情報をもとに最適な企業に投資を行うことが可能となります。

親会社・子会社・関連会社は法的に別企業なので、『個別財務諸表』を作成しているのです。ですが、これらの情報は個別を前提に行っている『財務諸表』であり、全体としての会計処理は行われていません。

企業グループは内部で色々な取引をしていますが、外部の利害関係者からしてみればそれは内部での取引であり、そこで生じた利益などは消去することが正しい財務情報と言えます。それを行うことが連結決算なのです。

ですから、債権と債務の相殺等(成果連結)や投資と資本の相殺(資本連結)の2種類が主に会計処理として行われます。それを元に企業グループ全体として正しい財務情報である『連結財務諸表』を作成して開示するのです。

親会社・子会社・関連会社はどう違う?

親会社・子会社・関連会社は、基本的に親会社が子会社や関連会社の株式を有しているなど、支配しているまたは影響を及ぼしている関係にあります。

以下では、親会社・子会社・関連会社について、1つずつ詳細をご紹介していきます。

親会社とは

先ずは、親会社です。

親であり、子会社や関連会社の株式を持つなどして、他の企業を支配している又は影響を及ぼしている会社です。最近では、子会社や関連会社とする基準は株式の保有割合だけではなく、実質で判断されることとなっているので、注意が必要と言えます。

株式だけで考えた場合でも、株主総会では1株につき1議決権を原則として決議が行われるので、過半数を保有していればそれだけでもほぼ支配している状況です。過半数までいかなくても20%以上有していれば影響を及ぼしていると考えられるでしょう。

ですから、株式を保有しているなどして子会社を支配している会社や、関連会社に影響を与えている会社を実質から判断し、親会社として連結決算を行い『連結財務諸表』を作成することとなるのです。

子会社とは

次に、子会社です。

子会社とは、親会社の子であり親会社が発行済み株式の50%超を保有していたり、40%~50%ないし40%未満であったとしても、支配できるような契約をしていたりなど一定の要件を満たしている場合には、支配されている会社は子会社です。

支配されている会社との取引は企業グループ内部の取引として、消去して表示しなければなりませんので、連結消去仕訳が行われます。

ですから、例えば以下のような会計処理が行われるのです。

  • 投資と資本の相殺消去

  • 売掛金と買掛金の相殺消去

  • 受取手形と支払手形の相殺消去

  • 未実現の損益の相殺消去

親会社から子会社に利益を乗せて商品を販売している場合、子会社が外部に販売していなければそれは実現したとは言えません。ですから、それを未実現損益の消去として会計処理するのです。

関連会社とは

最後に、関連会社です。

関連会社とは、親会社に関連している会社であり、親会社が発行済み株式の20%超を保有している場合や15%~20%ないし15%未満でも親会社の取締役等が関連会社の取締役等重要な影響を及ぼす一定の要件を満たしている場合には、関連会社です。

関連会社は重要な影響を及ぼすものの、支配しているわけではないので『個別財務諸表』の合算は行われず、原則として『損益計算書』の項目を「持分法による投資損益」、『貸借対照表』の項目を「投資有価証券」などの勘定科目で、仕訳が行われて全ての消去仕訳が完結します。

1行で行われるので「1行連結」と言われることもあり、簡略化されていますがとても大切な会計処理です。

連結決算はいつ行うべき?

連結決算を行う日は「連結決算日」と呼ばれます。『連結財務諸表』の作成が親会社の会計期間に基づき1年間を通じて、年1回一定の日に決算が行われるのです。

原則、親会社の事業年度の末日を基準に連結決算日として『連結財務諸表』を作成するので、基本的に親会社の決算日を連結決算日として行います。

3-3-1親会社と子会社で連結決算の時期は異なる

親会社の決算日を基準として連結決算が行われることから、子会社の決算日とは異なることが懸念されます。基本的には連結決算日と同一の日に行うことが良いですが、出来ない場合も考えられるのです。

統一できない場合には、連結決算日に正規の決算に準ずる合理的な手続きを行う必要があると連結会計基準16項に定められています。また、その差異が3カ月を超えない場合にはその差異から生ずる必要な整理を行えば、子会社の決算を基礎として連結決算を行うことも出来ることとされているのです。

まとめ

連結決算とは何か、なぜ行うのかについてご紹介していきましたが、いかがだったでしょうか。

株式の保有割合を含めて、支配しているか・重要な影響を及ぼしているかが実質的に判断され、子会社・関連会社が決定されます。連結グループ全体での財政状態・経営成績・キャッシュフローの状況を開示することで、株主に適切な投資情報を提供することが出来るのです。

連結決算日は原則として親会社の決算日であり、子会社が合わせることが不可能な場合には、連結決算日に正規の決算に準ずる合理的な手続きを行えば良いのです。ただし、子会社の決算日との差異が3カ月以内の場合には、差異から生じる必要な整理により子会社の決算日を連結決算日とすることも出来ます。

連結決算は企業規模拡大に伴い、分かりづらくなりがちな財務情報の開示を、適切に行う上でとても重要な会計処理です。株主への適切な財務情報の開示が行われなければ、株主は投資しづらくなります。

なぜなら、商品の情報が分からないものを人は買わないからです。会社自体が株式を通じた商品と考えれば、会社にとって財務情報はその商品を説明していると言えるでしょう。ですから、適切に商品の説明を開示するため、連結決算はとても重要な役割を果たしています。

今回ご紹介した内容が、連結決算に関する理解の一助となれば幸いです。

 

 

 

 

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