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複雑で難しい?!会計帳簿の基礎知識とは?

会計帳簿と聞くと、『日々の取引を書いておくものだろう』と想像します。これは間違いではないのですが、実際にはしっかりと帳簿にも種類があり、それぞれの役割があるのです。

会社法においても、会計帳簿の作成・保存義務が規定されている為、適切に作成・保存しておきましょう。

ですが、簿記を勉強したことがある方でも、この分類を正確に理解している方は少ないと言えます。これは最近では会計システムを利用して帳簿を作成していることが多いので、簿記を知らなくても、帳簿を作成できてしまうからです。ですが、この方法によるといずれ大きな問題につながりかねません。

会計システムにより会計処理を行っている場合には、帳簿が適切に作成されているか確認する手段がないのです。ですから、帳簿の種類や役割をしっかりと理解しておくことが大切と言えます。顧問税理士にお願いしている場合であったとしても、会計帳簿をしっかり理解して質問しながら、分析などにも役立てられるようにしていきましょう。

そこで今回は、会計帳簿の基礎知識についてご紹介していきます。

会計帳簿とは?

会社法第432条において作成・保存が要請されているものです。基本的には会社で行われた取引内容が分かるように、作成していくのが会計帳簿です。ただ、それにはしっかりとした種類と記載方法があります。ですから、会計帳簿の種類と記載方法を、しっかりと学んで適切な会計帳簿を作成して保存することが重要です。

通常、会社の取引は複雑かつ多様なものが多いと言えるでしょう。ですから、その取引の内容や金額を頭の中で覚えておくことは不可能です。それを補うために書いておくわけですが、より正確なものとするためにルールがあります。

自分の分かりやすいように帳簿を作成していると、自分は分かったとしても他の人が見た時には理解が出来ないかもしれません。ですから、一定のルールが必要なのです。そのルールに従って、適切な会計帳簿を作成して保存することで、客観的にもどのような取引が行われたのかが分かるようになると言えます。

会計帳簿は2種類ある

会計帳簿は、適時適切に作成されることが大切です。その為には、必要な取引をすべて記載する帳簿と、その中でもより詳細に記載しておくべき帳簿とに分かれます。

そこで以下では、2種類の帳簿について具体的に見ていきましょう。

主張簿とは

主要簿と呼ばれるものはさらに2種類あり、『仕訳帳』と『総勘定元帳』です。主要簿には会社で行われたすべての取引が記載される帳簿の基礎と言えます。

ですから、作成されていないと会社法で罰則規定があるので注意が必要です。

・仕訳帳

仕訳帳は、複式簿記を利用して日付順、さらには取引の発生順に仕訳を行って記載していく帳簿です。すべての取引を記載しますし、抜けのないようにする必要があります。

仕訳は、簿記の5大要素や取引の8要素を正確に理解して行うことが重要です。仕訳をミスしてしまうと、後の帳簿に間違った影響を及ぼしてしまうので注意して行いましょう。

仕訳帳は、仕訳の他に日付・元丁・摘要などが記載されるのです。仕訳帳の内容を総勘定元帳に移していきます。これを転記と言い、分かりやすいように記載しておく必要があるのです。ですから、仕訳の金額を記載する借方・貸方欄の他に、総勘定元帳の記載した箇所を示す元丁欄と、なぜその勘定が動いたのか仕訳や内容を記載しておく摘要欄があります。

日付ごとに取引が記載してあるので、分かる人ならいつどの内容の取引があったのかが、直ぐに分かりるのです。

・総勘定元帳

仕訳帳から転記され、日付順にすべての取引が勘定科目別にまとめて記載される帳簿と言えます。決算になると総勘定元帳を基礎として財務諸表である『貸借対照表』・『損益計算書』などを作成するのです。

記載する内容としては、日付・摘要は勿論のこと仕訳帳の書いてある箇所が、仕丁欄に記載されるのです。さらに、借方・貸方に金額を入れて、残高の金額が借方なのか貸方なのかまで記載する必要があります。

総勘定元帳は、一目でその勘定科目の残高が分かるために、とても明瞭性に長けています。もし、帳簿が分からない人でも、現金の残高欄を見れば会社の現金がいくらあるのかが分かってしまうのです。

ただ、帳簿の残高が現実と合致しているかは別の話しと言えます。基本的に適切に記載していれば合うのですが、合わなくなってしまうこともあるのです。そんな時には、帳簿を動かしていかなければなりません。

例えば、会社の帳簿と現実の現金の金額が合わないからと言って、自分のお金を会社のお金に入れてはいけないのです。なぜなら、後に原因が分かったとしても、より複雑になってしまいますし、会社の情報は財政状態を利害関係者に表示するためのものでもあるからと言えます。

補帳簿とは

補助簿とは、主要簿だけでは分かりにくい詳細な情報を、重要な勘定だけ取り上げて記載しておく帳簿です。補助簿も2種類に分けられ、『補助記入帳』と『補助元帳』があります。主要簿で足りない情報を補ってくれる帳簿ですので大切な役割を担っているのです

現金出納帳・預金出納帳・買掛帳・売掛帳・経費帳・固定資産台帳に関しては確定申告でも必要になってきますので、しっかりと作成しておきましょう。

・補助元帳

補助元帳は、商品有高帳・得意先元帳・仕入先元帳などがあり、それぞれ商品種類ごとや得意先ごとなど、詳細に記載がされるのです。

仕訳帳や補助記入帳から転記するのですが、例えば、売掛金元帳なら得意先ごとにどれだけ売掛金があるかなどが分かるために、管理がしやすく総勘定元帳の残高の内容が詳細に理解できるようになっています。

・補助記入帳

補助記入帳は、取引後最初に記載される帳簿で、補助記入帳から仕訳帳や補助元帳への転記が行われます。日付順に取引の明細が記載され、主要簿の補助的役割を担っているのです。

現金出納帳・預金出納帳・経費帳・固定資産台帳・売掛帳・買掛帳などがあり、それぞれ日付順に、勘定科目ごとの取引の詳細が分かるので、主要簿を支える重要な帳簿と言えます。

主張簿を作成しないとどうなるの?

会社法976条により、会計帳簿を正確に作成しない場合には、100万円以下の過料を課されることもあるのです。また、個人で青色申告が取り消され、税務署の言われる通りに課税されてしまう恐れや、消費税における仕入れ税額控除が控除できなくなってしまうことも考えられるでしょう。

法人税法では7年・会社法では10年という保存期間が規定されているので、しっかり作成して保存しておく必要があります。

まとめ

今回は、会計帳簿の基礎知識をご紹介してきましたがいかがだったでしょうか。

会計帳簿は、複雑かつ多岐に渡る種類のある取引を明確に記録しておける大切な役割を担っているものです。

主要簿と補助簿に分かれ、さらに補助簿は補助元帳と補助記入帳に分かれます。主要簿は仕訳帳と総勘定元帳があり、青色申告を行う場合には必要な帳簿ですので、覚えておきましょう。また、現金出納帳・預金出納帳・買掛帳・売掛帳・経費帳・固定資産台帳は確定申告で必ず必要なことになっているので、準備しておく必要があります。

会社法の規定により、会計帳簿を作成・保存しておかない場合には100万円以下の過料に課される可能性もあるのです。青色申告の取り消しや税務署により決められた税金を納めなくてはいけなくなってしまうことも考えられます。消費税の仕入れ税額控除を控除できなくなってしまうと大変ですので、しっかり作成・保存しておきましょう。

今回ご紹介した内容が、会計帳簿の基礎知識に関する理解の一助となれば幸いです。

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