今月の言葉

今月の言葉(12月)第185回 傾聴

組織が成り立つためには、①組織の目的やビジョン(目的志向)、②目的やビジョンへ向かっての組織成員(社員など)のやる気一体化(結束)、③成員間の有効なコミュニケーション(情報共有)、の3つが必要と言われています(組織の3要素)。ことにコミュニケーションは日常頻繁に行われる重要な要素です。伝えること(話す)と伝わること(聞く、聴く)とが一体化(感応同化)していることが必要です。とくに「聴く」(傾聴)ことは相手の心に響くものです。
 
  一流の営業マンは、話すことよりお客様のニーズを誠実に聴く(傾聴)ことが成約の道だとそのノウハウを話します。お客様との応対の時間のうち9割がお客さんの話す時間(傾聴時間)、残りの1割が自分の商品の説明だそうです。その時の注意点は、お客様の話を誠実に共感しつつ真剣に聴くこと、話すときはお客様の話が満たされたことを確認し、無理な誘導はしないことにあるようです。いかに聴くこといわゆる傾聴することが話すことより大切かわかります。
 
  どのような立場であるにせよ、重要な場ばかりでなく日常のコミュニケーションにおいても、誠実に傾聴することは相手から信頼が得られ、人間関係がより良くなることは明白です。なぜなら、相手が「自分のことを尊重してくれている」と思うからで、いわゆる自分の存在感を肯定した対応をしてくれているからです。また傾聴することによって、相手をよく知り、今後のよき信頼関係を築く基になるからです。
 
  私は会計事務所のスタッフですが、先日お客様の相続税のご相談に上司と共に対応しました。事業承継と共に相続税の負担には大変気になるものです。お客様のお考えやニーズを十分にお聞きし、いくつかのシミュレーションをモニターに映し出し、素人のお客様にわかりやすく丁寧にご説明したところ、大変喜ばれ納得されました。いわゆる感応同化したのです。お客様のニーズをよく聴き、焦点がズレルことなく説明したことと、お客様が傾聴してくださったおかげだと思います。お客様の感動と合わせて、私も感動したという感応同化の経験はめったにないもので、会計スタッフの冥利に尽きます。いかに人の話を誠実に傾聴するか、その効用は驚くほどあると改めて感じました。
 
(文責:鶴田則之)

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