今月の言葉

今月の言葉(11月)第184回 先人に倣ってコロナ禍(逆境下)を生き抜く

築後柳川13万石大名の立花宗茂は、天下統一を成し遂げた豊臣秀吉から「豪勇鎮西(九州)一」と讃えられた戦国武将でした。宗茂は関ヶ原の戦いにおいて、大恩ある豊臣秀吉への忠義を果たすため西軍に味方をし、東軍の大津城を陥落させ、大きな戦果を挙げたのですが、西軍本体が僅か一日で負けてしまった為に改易となり、領地の全てを取り上げられる緊急非常事態に陥ってしまいました。
このようなことは自分の窺い知れないところで新型コロナウィルスの影響により、突然営業が出来なくなった飲食店事業者などの方々と通じるものがあるのではないでしょうか。

 その後、領地を没収された宗茂は京都や江戸で牢人生活を送りましたが、必ず再起するという強い志を持ち続け、徳川二代目将軍の徳川秀忠に取り立てられて旧領の領主に復帰することができました。関ヶ原の戦いの後に改易されて領地を取り上げられた大名のうち、旧領に大名として復帰出来たのは宗茂だけでした。 新型コロナウィルスの感染拡大が続いている昨今、宗茂のように逆境下でもプライドを持ちつつ、冷静に判断しながら小さな復活のチャンスを掴み、信頼を得て大名に返り咲くことができたというところは現代の経営に参考になると思います。

 又、宗茂は領民にも慕われ、改易の際は無益な戦に領民を巻き込みたくないと降伏を決め、牢人となったあとでも家臣がついていったのは人間性にも優れていたからだと言われています。宗茂の言葉に「自分の家人であるからといってただ進めとか死ねとか言ったところで、そのような下知に従う者などいない」、「常に兵に対して依怙贔屓をせず、慈悲を与え、少々の過失は見逃し、国法に外れた者は、その法によって対処する」があり、人間愛や平等観に満ちていました。常日頃から周りの者とコミュニケーションを取り、信頼を得られていたからこそ、厳しい状況の中でも復活を成し遂げられたことが窺い知れます。

 新型コロナウィルスによって、今年の初めには全く予期しない程、世界中の生活環境が一変しました。今後も先の見通しが読めない日常が続いており、価値観や暮らし方を見直さなければならないような状況です。うちに閉じこもっているとどうしても自分を見失いがちになりそうな時がありますが、理性によって自らをコントロールし、宗茂のように逆境下でも諦めずに生き抜く逞しさを少しでも糧にして生きていきたいと思います。

(文責:福岡直也)

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