今月の言葉

今月の言葉(2022年11月)第208回 「自分らしさ」のブランド構築

私たち創新グループに脈々と引き継がれているモットーに、「不易流行」「とんがりコラボ」「黒字バランス」があります。この中の「とんがりコラボ」の「とんがり」の意味をよくお客様から聞かれます。「とんがり」とは抜きん出ている、特出している意味ですが、別の言い方をすれば「自分らしさ」の発揮であると考え、このようにお客様に伝えております。

この「自分らしさ」は、人生を生きるうえで「楽しさ」「生きがい」と並んでとても大切にしたいことであります。私たちが携わっている若手人材育成事業では、この「自分らしさ」を前面に表わし相手と向き合って好感を持たれる若手もいれば、かえって反感を買ったり協調性を疑問視されたりするという危惧を持ち、控える若手も多いのも事実です。

また、個人の問題だけでなく企業にも同様に「らしさ」はブランドにもつながり、とても大切なことだと思います。現代はまさに個性や独自性の「らしさ」が求められる時代ではないでしょうか。以前のような右肩上がりの経済成長が見込めない現代では、同業界上位の真似だけの商品やサービスでは早晩淘汰されてしまいます。自分たちの独自性ある「らしさ」に立脚してビジネスを展開していくほうが、うまくいくケースは多いのではないかと思います。この「らしさ」は結果的に、他社との「差別化」につながるからです。

「差別化」という言葉をビジネスに持ち込んだのは、アメリカの経営学者マイケル・ポーター氏です。その定義を書籍から引用すると「特定商品(製品やサービスを含む)における市場を同質とみなし、競合他社の商品と比較して機能やサービス面において差異を設けることで、競争上の優位性を得ようとすること」と説明されており、今ではすっかりビジネスシーンに根付いています。

「らしさ」を差別化と言えるまで昇華し、業績を向上させ、唯一無二のブランドをもつ星野リゾートやスープストックトーキョーなどの企業は、経営陣や組織の持つ想いや考えを基点にビジネスを展開し、それを差別化できるほどの独自なものにまで高めています。

ブランドづくりというと、とかく外見を格好良く見せたり、足りないものを積極的に取り入れたりすることを考えてしまいがちになりますが、それ以上に「何をしたいのか」「自分たちの良さは何か」を突き詰めて考え、内部から根本的に掘り下げて発信していくことのほうが重要ではないでしょうか。他社の真似をしてもすぐにメッキが剥がれてしまう時代です。しっかりと自らの強みを見極め、「自分らしさの独自なブランド」を構築していきたいものです。

(文責:石浦一喜)

関連記事