今月の言葉

今月の言葉(2022年7月)第204回 「全ての責任は我にあり」

20世紀初めのフランスの農学者マクシミリアン・リンゲルマン(Maximilien Ringelmann)によって示された「社会的手抜き」という心理現象があります。

これは、人間が集団で作業を行うとき、それより少ない人数や個人で作業をするときよりも1人あたりの生産性が低くなる現象のことです。例えば、1人で綱を弾いたり玉を集めたりしなければならない個人競技では、自分が精一杯力を発揮しなければ競技に勝つことができません。一方、集団競技となると、自分が必死にならなくともたくさんの仲間がいるため、自分の力を100%出して競技に参加する人は少なくなり、周囲が頑張って取り組んでくれることを期待する人が増えるという実験結果です。我々の会議やプロジェクトを遂行する中で「誰かが言ってくれるだろう」、「誰かが代わりにやってくれるだろう」という思惑が心のどこかにあることはないでしょうか。最も問題なのは、「当事者に自分が含まれていない」という自身の認識を当然の如く疑わないことです。問題が起こった際にこの意識の差が顕著に顕れます。自分を棚に上げて「やっぱり自分が思っていた通りだ」とか「自分の仕事ではないから責任はない」などと責任転嫁の押し付け合いにつながり、チームや組織に亀裂が生じる基因となり人間関係や成果に影響を及ぼします。

以前の私は、心のどこかで“誰か”を頼りにし、自分の仕事を無意識に選別して、人が動くのを待つという悪しき習慣が身についていました。長年こびりついたこの悪しき習慣を身から剝がそうと意識を変え取り組んでいますが、すごく大変です。この悪しき習慣に気づかされたのは、創新グループにご縁を頂き所属するようになり、会社の理念・理行を考える機会が増えたことで、今までの自分の働きぶりを見直すようになったからです。

また、理念・理行の中でも特に「自分が源泉全責任者」という言葉が心に突き刺さりました。「社会的手抜き」という言葉にあるように他人の責任にして、自分の行動に対する責任を避け、楽な方へ逃げることは簡単です。しかし、この裏返しとして逃げ続ける者は永久に勝負に勝つことはできません。また、自分が責任を取らないという姿勢は他人を頼りにし、責任の所在を曖昧にしてしまうことになります。組織が永く繁栄・存続し続けるには「自分が源泉」の基に「全責任」は自分にあると思う覚悟が必要です。この覚悟をもって会社の一員として勤めなければ自分の成長にもつながらないと思います。失敗の原因作り(言い訳)は、いくらでも後付け出来ますが、そこからは何も生まれません。組織に所属しているという事は、どんな些細な問題であったとしても自身が関係している意識を持ち主体的に思考・行動していく必要があると思います。そういう意味で「企業理念」は、社員にとって行動規範となります。社員一人一人が会社を自分のことのように考えられれば組織の士気の向上につながり、いい組織づくりにつながるものだと思います。今後、我が社の理念・理行を信じて、自分自身を源泉として仕事に取り組んでいきたいと思います。

(文責:千葉 はづき)

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