今月の言葉

今月の言葉(2022年4月)第201回 教育研修の輝き

毎年4月になると多くの会社が入社式を執り行い、その直後に数日間(会社によっては2~3週間)新入社員教育を施します。社会人となる第2の人生スタートにあたり、これまでの殻を破り、社会人としてのあり方や、企業とりわけ仕事の意義、その会社の規則や理念、方針などを学びます。これは社会人一年生の基礎教育と言ってよいでしょう。原石から宝石になるには、長い時間かけて丁寧に根気強い研磨加工が必要であるように、人間も地道な教育研修と実践が必要です。教育研修には基礎的なものと専門的なもの、あるいは作業的なものから管理的なものまで多種多様にあり、段階的に学んでいかなければなりません。教育研修は長い時間かけて原石を磨いていくようなもので、「玉磨かざれば光なし」です。

論語に「学びて思わざればすなわくらし、思いて学ばざればすなわあやうし」という言葉があります。これは一定の学びを得てもそれを深く思い考えなければ何もならないし、思い考えてもきちんと学ばなければ大変危険であることを述べています。真の「知」は学びと思う(考える)ことからなり、これを実行してはじめて自分のものとして修得できるのであります。たとえばペーパードライバーの方は、実際にハンドルを握っておりませんので免許を持っていないのと同じであり、反対に免許を取得していないのに、実際にハンドルを握って動かせば大変危険極まりないものとなります。よく学んで得た「知」と「行」を一致させなければ所期の目的や目標に達成することはできないのです。この「知行合一」によってはじめて人間としての輝きを放ち、組織の成果を上げることができるのです。

「組織は人なり」と言われるように、組織とりわけ会社組織は一定の目的の下に人が集まって活動する事業体です。その組織の目的は、創業者の想いたる理念を基に事業が展開されます。基礎教育研修の一つに、会社の方針や会社が最も大切にしているコアバリューの「経営理念」の学びがあります。多様な価値観を持つ人々を一定の目的にいかに束ねていくか、その根本が「経営理念」であり、樹木に例えれば根っこの部分です。いかなる風雨にも耐え忍べる精神的支柱となるもので、とても大事な教育研修であります。この基礎的教育研修と合わせて、経験の段階に応じて、営業や生産技術、経理などの専門教育や管理職としてのリーダーシップや組織管理などマネジメント教育が行われます。こうして専門家としての「とんがり」のスキルが磨かれ、組織の要として輝きを放っていくのです。

「人間は教育の産物であり、自分が受けた教育の原則によってしか行動しない」とイタリアのある教育学者が述べ、さらに人間としての「教育原理」を見出すことが大切と強調しました。時代を超えて万人に通じる人間学を修得すると共に、時代に応じた技術やスキルの修得による「とんがり」を見出し、人生の輝きを放っていきたいものです。

(文責:高良 明)

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